【実録】エアコン交換DIY完全ガイド(後編)|難関「左抜き配管」の断熱処理と真空引き・気密テストを完全攻略

真空ポンプ、マニホールドゲージ、チャージバルブの機材一式 Project

前回の【前編:準備・撤去・コンセント移設編】では、エアコン交換DIYの費用対効果(総額4.1万円)と法的要件の整理、中古エアコン(SHARP製)の丸洗い洗浄、冷媒を室外機へ回収するポンプダウン、そして本体と干渉する電源コンセントの移設工事までを解説しました。

完結編となる本記事【後編:設置・真空引き・試運転編】では、ルームエアコン設置において最も物理的難易度が高い「左後ろ抜き(室内での配管ジョイント)」の施工手順と、初めての真空引き作業で直面した「チャージバルブの締め込み加減による圧力停滞トラブル」の解決ロジックまでを詳しく記録しました。

praxis
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理屈の上では「配管を繋いで真空にして冷媒を流すだけ」のシンプルな作業やけど、狭い室内での左抜き配管の押し込みと、真空引きでの気密確保はなかなか大変やったで……。

Logico
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実際に手を動かしてみて初めて分かる物理的な勘所がありますからね。DIY実践者がつまずきやすいポイントを論理的に紐解いていきましょう。

第1章:室内機への連絡電線(VVFケーブル)の接続

室内機を壁に持ち上げる前に、床上で「室内機と室外機を繋ぐ連絡電線(VVFケーブル 2.0mm-3C)」を室内機の端子台へ接続しておきます。前編と同じく、既存の連絡電線は被覆の柔軟性・銅線の状態ともに良好だったため、そのまま再利用しました。

室内機の端子台にVVFケーブルの黒・白・赤を接続しケーブルクランプで固定している様子
室内機前面右の電装カバーを開け、端子台の「1(黒)」「2(白)」「3(赤)」へ心線を奥まで確実に差し込み、抜け止めクランプで固定する。

端子台のストリップゲージの長さに合わせて被覆を剥き、銅線が露出しない位置まで奥へ突き当てます。電線に引っ張り応力が加わっても端子から抜けないよう、手前の樹脂製ケーブルクランプで外装シースごとしっかりとビス固定します。
※機種によって仕様は異なるためマニュアルなどを参照し適切な接続を行います。新しく配線する場合は、必ず「VVFケーブル 2.0mm-3C」を使用してください。1.6mmは非推奨です。

第2章:最難関「左抜き配管」のフレア接続と結露防止の断熱処理

続いて、今回の工事で最も肉体的・技術的難易度が高い「左抜き配管の接続と壁穴への貫通作業」に入ります。

2-1. なぜ「左抜き」は施工難易度が跳ね上がるのか?

エアコンの室内機背面から生えている短い「補助配管」は、本体に向かって右側から出て左方向へ折りたたまれるように収まっています。このため、壁穴(スリーブ)の位置によって施工手順が根本から異なります。

  • 右抜きの場合(難易度:低): 補助配管を右後ろの壁穴からそのまま屋外へ突き出せるため、先に室内機を壁に引っ掛けて固定してから、屋外の広いスペースでメイン配管(ペアコイル)をフレア接続できます。
  • 左抜きの場合(難易度:高): 壁穴が左側にあるため、短い補助配管は壁穴まで届きません。つまり、「室内の狭い空間で先に3mのメイン配管とフレア接続(結線)を済ませ、ジョイント部と断熱材で太く硬くなった配管の束を直角に曲げて壁穴へ押し込みながら、同時に重い室内機を据付板へ引っ掛ける」という手順が要求されます。
室内機の補助配管と新規ペアコイルをトルクレンチで接続し、断熱材で覆った様子
室内機を立てかけた状態で、2分(細)・3分(太)の配管をトルクレンチとモンキーレンチの二丁掛けで規定トルク締付。露出した金属ナット部を断熱材で隙間なく包み、ドレン管や電線とまとめ上げる。
冷媒配管、ドレンホース、連絡電線を非粘着テープで一本に束ねた状態
冷媒配管2本、ドレンホース、連絡電線を添わせ、室内機側から壁穴側へ向かって非粘着テープをハーフラップで巻き上げる。

2-2. トルクレンチの規定値と「断熱材」の絶対原則

まずは床上で、室内機の補助配管と購入したフレア加工済みペアコイル(2分・3分)を接続します。銅管の中心軸を真っ直ぐ合わせ、最初は必ず「手締め」でナットが止まるまで回し入れます(最初から工具を使うとネジ山を斜めに噛み込んで潰す原因になります)。

その後、補助配管側の六角部をモンキーレンチで固定し、フレアナット側を空調用トルクレンチで「カチッ」と音が鳴るまで締め付けます。

  • 2分(1/4インチ・6.35mm)の規定トルク範囲: 一般的に 14〜18 N・m(約16〜17±2 N・m)
  • 3分(3/8インチ・9.52mm)の規定トルク範囲: 一般的に 34〜42 N・m(約38±4 N・m)

※空調用トルクレンチはメーカーやモデルによってプリセット値に若干の仕様差があり、今回私が調達したトルクレンチセットは「19 N・m(2分用) / 42 N・m(3分用)」の組み合わせに設定されたものを使用しています。

そして、室内ジョイントにおいて最も警戒すべきなのが「結露による水漏れ」です。

【重要】断熱材を巻くべき箇所の認識

市販のペアコイルは最初から銅管の全線が白い発泡ポリエチレン断熱材で覆われています。したがって、現場で手作業で断熱材を追加しなければならないのは「室内機の補助配管とメイン配管を繋いだフレア接続部(金属ナットと銅管が露出している区間)」です。ここが少しでも空気に触れていると、夏場の冷房運転時に激しい結露が発生し、室内機の裏から壁を伝って水漏れを引き起こす可能性があります。

今回は既存の断熱材も再利用しつつ、接続部の金属が完全に隠れるよう前後の断熱材と隙間なく突き合わせて巻き付け、テープで気密・固定しました。さらにドレンホース(結露水排水用)と連絡電線を合流させ、壁穴へスムーズに通せるよう非粘着テープで1本の束にまとめ上げます。


※配管配管長さは室内機と室外機の間の距離がどの程度必要かによって異なります。事前に必要な長さを計算し、その長さよりも少し長めを選択すると良いです。今回は2階寝室の室内機を、すぐそばの2階バルコニーの室外機に接続するため、3m程度あれば十分と判断しました。

2-3. 壁穴への配管貫通と据付板へのマウント

束ねた3mの配管の先端を、室内から左上の壁穴(スリーブ)へ差し込み、屋外へと送り出していきます。

配管の束を左上の壁穴へ通し、室内機を窓枠に仮置きして持ち上げようとしている様子
3mの配管束を壁穴から屋外へ送り出し、室内機を窓枠に仮置きした状態。ここから配管の根元を直角に曲げながら本体を持ち上げ、据付板へ引っ掛ける。
praxis
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ここが最大の修羅場やったで!銅管を折らんように慎重に曲げつつ、硬い配管を外へ押し込みながら10kg近い室内機を頭上へ持ち上げるんやけど、途中でカバーが足元に落下して裸足の親指を直撃してな……。悶絶する痛みで危うく心が折れかけたわ。皆は絶対に安全靴か厚手のスリッパを履いて作業してや!

屋外へ出て外側から配管を少しずつ引き出す作業と、室内側から押し込む作業を交互に繰り返し、室内機上部のツメを据付板の上端に引っ掛けます。最後に室内機の下部を壁に向かって押し込み、据付板の下ツメが「カチッ」とロックされたことを確認して室内機の設置は完了です。

第3章:真空引きと気密テスト|チャージバルブの罠と解決ロジック

舞台を屋外の室外機へと移します。室内機への配管・配線と同様に、壁穴から出てきた2分・3分の配管を室外機の2方弁・3方弁へトルクレンチ(19N・m / 42N・m)で接続し、連絡電線(黒・白・赤)とアース線を室外機の端子台へ結線します。

ここから、エアコンの性能と寿命を決定づける最重要工程「真空引き(エアパージ)と気密テスト」に入ります。

3-1. マニホールドゲージの仕組み|なぜ「赤(HIGH)」は使わないのか?

購入した真空ポンプセットを開封すると、青と赤の2つのメーターが付いた「マニホールドゲージ」や、金属カプラー類が同梱されています。まずはこれらの役割と、今後の応用(カーエアコン整備など)に向けた全体像を整理しておきます。

真空ポンプ、マニホールドゲージ、チャージバルブの機材一式
真空ポンプとマニホールドゲージ一式。ルームエアコンの施工で使用するのは「青バルブ(LOW側)」「真空ポンプ」「コントロールバルブ(赤いツマミの部品)」のみ。
  • 青いメーターとバルブ(低圧側・LOW): 家庭用ルームエアコンには、太い管(3方弁:ガス戻り側=低圧側)にしか点検口(サービスポート)が存在しません。そのため、ルームエアコンの真空引きでは「青(LOW)」のみを使用し、赤(HIGH)のバルブは常に全閉にしておきます。
  • 赤いメーターとバルブ(高圧側・HIGH)の用途: コンプレッサーの吐出圧力を直接測るためのものです。高圧ポートと低圧ポートの2つを備える「自動車のカーエアコン」や「業務用大型エアコン」の診断・メンテナンスを行う際に使用します。
  • 付属品(クイックカプラー等)の用途: セットに同梱されている赤・青の円筒形カプラーは、ワンタッチ差し込み式を採用しているカーエアコン(R134a冷媒等)へ接続するための変換アダプターです。これらを持っておけば、将来マイカーのエアコンメンテナンスにもそのまま応用できます。

【※なぜ別売りの「コントロールバルブ」の追加購入が必要なのか】

安価な真空ポンプ・マニホールドゲージのセットをそのままルームエアコンに使おうとすると、「ネジ径(冷媒規格)の違い」と「取り外し時のエア混入・ガス噴出リスク」という2つの問題にぶつかります。

  • ネジ径の変換(5/16インチ ⇔ 1/4インチ): 現在のルームエアコン(R32 / R410A冷媒)のサービスポートは太い「5/16インチ」規格ですが、汎用マニホールドゲージのホースは旧冷媒やカーエアコンと同じ細い「1/4インチ」規格で作られていることが多く、そのままではネジのサイズが合わず接続できません。
  • 虫ピン(バルブコア)の開閉制御: ホースを直接サービスポートにねじ込むと、接続した瞬間にエアコン側の虫ピンが押されてしまいます。その状態だと、真空引きが終わってホースを取り外す一瞬の隙に外気が配管へ逆流したり、冷媒開放後に外す際に高圧の冷媒ガスが噴き出して凍傷を負う危険があります。

そこで、「5/16インチへの口径変換アダプター」と「手元のツマミで虫ピンの押し込み(ON/OFF)を自在に操作できる機構」が一体化したコントロールバルブ(チャージバルブ)を追加購入しました。これさえ間に噛ませておけば、ホースを繋いだまま安全かつ確実に回路の開閉をコントロールできます。

3-2. 真空ポンプ・マニホールドゲージ・コントロールバルブの接続手順

各機材の役割が把握できたところで、実際にホースを繋いで真空引きを開始するまでのステップを順番に解説します。特に「ホースの繋ぎ順」と「コントロールバルブの初期状態」は、トラブルを防ぐ上で極めて重要です。

【作業前の必須チェック】真空ポンプの準備

  • ポンプオイルの充填: 新品の真空ポンプは、輸送時の漏れを防ぐため内部のオイルが空の状態で届きます。必ず付属の専用オイルを本体側面の点検窓(OIL LEVEL)の中央ラインまで注入してから電源を入れてください(空回しすると一瞬で焼き付きます)。
  • 排気口キャップの開放: ポンプ上部にある排気キャップ(ゴム蓋など)を外し、吸い出した空気の逃げ道を確保しておきます。

【ステップ①:ホースの接続構成(ポンプ ⇔ マニホールド ⇔ バルブ)】

マニホールドゲージには3箇所の接続ポートがあります。上の機材写真の通り、以下のルートでホースを繋ぎます(※一般にはLOW側に青ホース、中央に黄ホースを使うことが多いですが、ホースの色自体は単なる識別用なので内部構造は同じです)。

  1. マニホールドの「中央ポート」 ⇔ 「真空ポンプの吸気口」をホースで繋ぐ。
  2. マニホールドの「LOW側ポート(青バルブの下)」 ⇔ 「コントロールバルブ(チャージバルブ)の背面」をホースで繋ぐ。
  3. マニホールドの「HIGH側ポート(赤バルブの下)」には何も繋がず、赤いバルブ(HIGH)は時計回りに回して完全に閉鎖(CLOSED)しておく。
マニホールドゲージと真空ポンプ、コントロールバブルの接続例
マニホールドゲージ・真空ポンプ・コントロールバブルの接続例。使用するのはLOWのバルブのみ。

【ステップ②:室外機サービスポートへの接続と真空引き開始】

  1. コントロールバルブを「OFF(閉)」にする: 室外機へ取り付ける前に、コントロールバルブの赤いツマミを反時計回り(左)へ最後まで回し切り、内部の押しピンが引っ込んだ状態にしておきます。
  2. 室外機のサービスポートへ接続: 室外機の3方弁(太い管側)にある点検口(サービスポート)の真鍮キャップをモンキーレンチで外し、そこへコントロールバルブの先端ナットを真っ直ぐ垂直に当てて、奥までしっかりとねじ込みます。(※この時点では室外機の2方弁・3方弁の六角穴は閉まったままです)。
  3. コントロールバルブを「ON(開通)」にする: コントロールバルブの赤いツマミを時計回り(右)へ止まるまでねじ込みます。これで室外機側の虫ピンが物理的に押し込まれ、冷媒配管内部とホースが一本の道として繋がります。
  4. マニホールドの青バルブを開ける: マニホールドゲージの青いバルブ(LOW)を反時計回り(OPEN)に回して開きます。
  5. 真空ポンプ起動: 真空ポンプの電源スイッチをONにします。ポンプが稼働し、配管内の空気がマニホールドを経由して外部へと吸い出されていきます。
室外機のサービスポートと、手に持った赤いツマミのコントロールバルブ(チャージバルブ)
室外機のサービスポート(3方弁)へ取り付けるコントロールバルブ(チャージバルブ)。この接続ナットの締め込み加減と、赤いツマミによる内部虫ピンの押し込みが気密の鍵を握る。
praxis
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要するに「室外機のサービスポート ➔ コントロールバルブ ➔ LOW側ポート ➔ マニホールド内部 ➔ 中央ポート ➔ 真空ポンプ」という順番で空気が吸い出される一本のトンネルを作るわけやな。

3-3. 現場で起きた停滞トラブル:圧力が「-0.1MPa」まで下がらない原因

室外機のサービスポートにコントロールバルブ(チャージバルブ)を取り付け、黄色いホースを介して真空ポンプを起動しました。ところが、ここでトラブルに直面しました。

「針が動き出したものの、途中の約-0.03 MPa(海外製ゲージの負圧目盛りで-10付近)でピタッと止まり、完全真空である -0.1 MPa(ゲージ最下端の-30目盛り)まで落ちない」という現象でした。

Logico
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ルームエアコンの短い配管(3m)であれば、密閉さえ確立されていれば十数秒〜1分程度で針は最下端の「-0.1 MPa(ゲージ目盛り-30)」まで一気に振り切れます。途中で針が止まってしまうのは、ポンプの能力不足ではなく「ポンプが空気を吸い出す量」と「接続部の隙間から外気が入り込む量」が釣り合ってしまっている証拠です。

原因は「コントロールバルブ接続部の締め込み加減」にありました。

  1. 虫ピンの押し込み不足: 室外機のサービスポート内部には自転車のタイヤと同じ「虫ピン(バルブコア)」が入っています。コントロールバルブの赤いツマミを時計回りに最後までしっかりねじ込まないと、内部のピンが押されず回路が開通しません。
  2. 接続ナットの締め込み不足(エア噛み): サービスポートにねじ込むコントロールバルブ先端の真鍮ナットがわずかに斜めに噛んでいた(締め込みが甘かった)ため、内部のゴムパッキンが完全に密着しておらず、そこから微量の外気を吸い込み続けていました。

コントロールバルブをサービスポートに対して真っ直ぐ垂直に当て直し、レンチで少し増し締めしてパッキンを完全密着させた瞬間、ポンプの排気音が静まり返り、メーターの針がストンと完全真空の「-0.1 MPa(ゲージ最下端の-30目盛り)」まで振り切れました。

マニホールドゲージのLOW側メーターが-0.1MPa(目盛り-30)に振り切れた状態
完全な真空状態(-0.1MPa / ゲージ最下端の-30目盛り)に到達。このまま15分間ポンプを回して配管内の水分を蒸発除去し、さらにバルブを閉めて15分間放置しても針が1ミリも戻らない(リークゼロ)ことを確認した。

3-4. 15分間の「真空乾燥」と「気密放置テスト(リークチェック)」の手順

メーターの針が完全真空の「-0.1 MPa(ゲージ最下端の-30目盛り)」に到達しても、すぐにポンプを止めてはいけません。ここから「配管内の水分除去(真空乾燥)」と「フレア接続部のガス漏れ確認(気密テスト)」という2つの重要な工程を行います。

【ステップ①:15分間の真空引き(真空乾燥)】

針が -0.1 MPa に振り切れた状態のまま、真空ポンプを最低15分間回し続けます。

これは単に空気を抜くだけでなく、配管内部の気圧を極限まで下げることで「水の沸点を下げ、配管内に付着しているわずかな湿気(水分)を常温で沸騰・蒸発させて外部へ吸い出す」という物理的な目的があります。配管内に水分が残っていると、冷媒と反応してスラッジ(酸)を生成し、コンプレッサーの絶縁不良や故障を引き起こす原因となります。

【ステップ②:15分間の気密放置テスト(リークチェック)】

15分間の真空引きが完了したら、以下の順番で操作し、配管系を密閉して放置テストに入ります。

  1. マニホールドの閉鎖(先): ポンプが回っている状態のまま、マニホールドゲージの青いバルブ(LOW)を時計回り(CLOSED)に回して完全に閉め切ります。(※先にポンプを止めると、ポンプ内のオイルや空気が負圧で配管側へ逆流する恐れがあるため、必ず「バルブ閉鎖 ➔ ポンプ停止」の順序を守ります)。
  2. 真空ポンプの停止(後): 青バルブが閉まったことを確認してから、真空ポンプの電源スイッチをOFFにします。(※この時点では、室外機のコントロールバルブは「ON(押し込み)」のままにしておきます)。
  3. ゲージ針の位置を記録して15分間放置: メーターの針が「-0.1 MPa(-30目盛り)」を指していることを確認し、そのまま15分間(最低でも5〜10分以上)一切触れずに放置します。
  4. 合否判定: 15分経過後、再びメーターを確認します。
    • 【合格】針が「-0.1 MPa」から1ミリも動いていない: 室内機裏の左抜きジョイント部、および室外機のフレア接続部の気密は100%完璧です。
    • 【不合格】針が「0 MPa」方向へじわじわ戻っている: フレア接続部やバルブのどこかに隙間があり、外気が侵入しています(このままガスを開放すると確実に冷媒漏れを起こすため、増し締めやフレア面の再確認が必要です)。
praxis
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今回は室内機の真裏でフレア接続しとるから、もしここで針が戻っとったらまた室内機を壁から降ろしてやり直しになるところやった。15分経っても針がピタッと張り付いたままなのを見た時は、心底ホッとしたで。

3-5. 気密テスト合格から「冷媒ガス開放」までの手順

気密放置テストをクリアしたら、せっかく作った真空状態に外気を混ぜないよう、以下の順序で機材を取り外して冷媒ガスを開放します。

  1. コントロールバルブの閉鎖(ピン戻し): 室外機のサービスポートに繋がっているコントロールバルブの赤いツマミを反時計回り(左)へ最後まで回し切り、内部の虫ピンを解放してサービスポートの扉を閉じます。
  2. バルブ・ホースの取り外し: サービスポートからコントロールバルブごとホースを取り外し、サービスポートの真鍮キャップを元通りモンキーレンチで締めます(ステップ1で先に虫ピンを閉じているため、空気の侵入もガスの噴出も一切起きません)。
  3. 2方弁(細い管)の開放: 室外機の2方弁(液側・細い管)の六角穴に六角レンチを挿し、反時計回り(左)に止まるまで全開にします。「シューッ!」という音とともに、室外機内の冷媒ガスが配管全体へと一気に流れ込みます。
  4. 3方弁(太い管)の開放: 続いて、3方弁(ガス側・太い管)の六角穴も同様に反時計回り(左)に止まるまで全開にします。
  5. スピンドルキャップの復旧: 2方弁・3方弁の真鍮製キャップを元通り取り付け、モンキーレンチで確実に締め付けます。

六角レンチを回した瞬間、「シューッ!」という力強い音とともに、室外機に封じ込められていたR32冷媒ガスが真空の配管・室内機へと一気に充満していきました。最後にすべてのバルブキャップをモンキーレンチで確実に締めて冷媒回路は完成です。

第4章:屋外配管の仕上げ|紫外線保護・パテ埋め・余長処理

冷媒の開通と動作確認を終えたら、翌日以降の明るい時間帯に屋外の配管を美しく耐久性のある状態に仕上げます。

外壁に沿って非粘着テープとサドルで固定され、壁穴がパテ埋めされたエアコン配管
壁穴の隙間をエアコンパテで完全に密閉し、立ち下げた配管全体を非粘着テープで保護した上で、樹脂サドルを用いて外壁へビス固定。※白いテープが切れてしまった都合、少しカッコ悪いですが、一部黒いテープを巻いています。
SHARP製室外機(AU-H22EEY)のバルブカバー装着と裏側への余長配管収納
3m配管の余った長さ(余長)は、銅管が折れないよう大きな半径で緩やかに丸めて室外機の裏側スペースへ綺麗に収め、側面カバーを装着。

屋外に露出する断熱材は、直射日光(紫外線)に晒されると数年でボロボロに風化して銅管が剥き出しになり、熱交換効率を著しく低下させます。そのため、屋外の露出区間には非粘着テープ(コーテープ)を巻き付け、雨水や害虫の侵入を防ぐために壁穴貫通部をエアコンパテとシリコンコーキングで隙間なく塞ぎます。

第5章:元のコンセント穴の目隠しと試運転|完全勝利!

最後に、前編で真下へ移設した際に残っていた「エアコン本体と半分被る元のコンセント開口部」の目隠し処理を行います。

設置と試運転が完了し、ルーバーが開いて冷風が出ているSHARP製ルームエアコンと移設されたコンセント
元のコンセント穴(本体右横)は厚みゼロの壁紙補修キットでフラットに塞ぎ、真下へ移設したコンセントへ電源プラグを接続。試運転でキンキンに冷えた風が吹き出すことを確認!

厚みのある市販のメクラプレートをそのまま使うとエアコンの右端部と干渉してしまうため、今回は500円程度で調達した「壁紙補修キット(薄型補修シート+クロス壁紙)」を採用しました。これにより段差(厚み)ゼロで開口部がフラットに塞がり、室内機の浮きも一切なく美しく納まりました。

※後日、撤去した既存エアコンは自治体が指定する方法で廃棄しました(約700円程度)。

praxis
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ルーバーが開いて、カビ臭さゼロのキンキンに冷えた風が吹き出してきた瞬間は感動もんやで!親指の激痛と真空引きのトラブルを乗り越えて、自分の力だけでやり切ったわ。普通にシンドイかったで。

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本当にお疲れ様でした。単なる「手順の暗記」ではなく、結露のメカニズム、そして真空引きにおける圧力バランスという「物理的な原則」を理解したことで、今後は部材費だけで交換できるようになりましたね。

総括:エアコン工事を「ブラックボックス」から解放する

ルームエアコンの設置工事は、外注すれば1台あたり2万〜3万円の工賃がかかる代表的な住宅設備工事です。しかし、一度プロセスを経験してしまえば、その対価の半分以上は「特殊な知識」ではなく「重い室内機を支えながら狭い場所で配管を曲げる肉体労働」と「専用工具の有無」に対して支払われていることが分かります。

省エネ基準の厳格化によってエアコン本体価格の上昇が避けられないこれからの時代、第二種電気工事士のライセンスと総額2万円ほどの専用工具(真空ポンプ・マニホールド・トルクレンチ)を手元に揃えておけば、設備の維持・更新コストを劇的に引き下げることができます。生活コストを抑え、独立した生存スキル(技術資産)としても機能するエアコンDIY、ぜひ原理を理解した上で挑戦してみてください。ご安全に!

 

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参考文献・外部リソース

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