【保存版】DIY塗装の教科書:失敗しない塗料の選び方からプロの技まで完全解説

diy塗装のイメージ画像 知識整理

あなたのDIY、なぜか安っぽく見えませんか? 答えは「塗料選び」にありました。

せっかく時間をかけて作った棚やリメイクした家具。なのに、なぜか既製品のような美しい仕上がりにならない…。数ヶ月後には塗装が剥がれてきてガッカリ…。

DIYで多くの人がぶつかるこの壁の原因は、実は「塗料の知識不足」にあります。

塗料は、単に色を付けるためのものではありません。作品を湿気や傷から守る「鎧」であり、仕上がりの質感を決定づける「最後の仕上げ」です。

この記事では、あなたが今後、自信を持って塗料を選び、プロのような仕上がりを実現するために必要な知識を、ゼロから体系的に解説します。この記事を読めば、ホームセンターの塗料コーナーで迷うことはもうありません。

ホームセンターの塗料コーナーで、塗料の選び方が分からなず混乱してしまう。
praxis
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水性?油性?ステイン?ニス?一体何が違うのかな?
とりあえず安いのを買ったら失敗しちゃった…なんて経験ありませんか?
ホームセンターで沢山の種類の塗料が並んでいるのを見ると、何を選べばよいのか混乱してしまいます。

Teacher X
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これだけ知っていれば迷わなくて済むようになる、本質的な知識のみを解説していきますので、安心してくださいね。

この記事で分かること

  • 塗料の正体を知る
     – 塗料の役割や成分について
  • 耐久性の決め手!塗料の心臓部「樹脂」を知る
  • 木材塗装マスター
    – 目的で選ぶ4つの仕上げ方法とメンテナンス性能
  • 木材以外にも応用!素材が変われば「下塗り」が変わる
  • 塗装成功の黄金ルール5ヶ条

第1章:塗料の正体を知る ― すべては「塗膜」のために

まず、塗料が何をしているのか、その本質を理解しましょう。

1-1. 塗料のたった3つの役割

塗料が乾くと、物の表面に薄い膜「塗膜(とまく)」が作られます。この塗膜が、以下の3つの重要な役割を果たします。

  • 保護 (Protection): 塗膜が紫外線、雨、サビなどから素材を守り、作品を長持ちさせます。
  • 美粧 (Aesthetics): 美しい色や光沢を与え、作品の価値を高め、空間を彩ります。
  • 機能 (Function): 防カビ、防虫、遮熱、防水など、特別な性能を与えます。
praxis
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塗料を選ぶ際に何を目的として塗装するのかを考えると、選択する時の基準ができて良さそうです。

1-2. 塗料の中身:乾くと消える「溶媒」と、残る「樹脂・顔料」

塗料は、大きく分けて4つの成分でできています。
これらの成分の組み合わせによって様々な塗料が作られています。

成分役割塗膜として残る?
樹脂 (Resin)塗膜の骨格。耐久性や密着性など、塗料の基本性能を全て決める最重要成分残る
顔料 (Pigment)色の源。塗料に色を付け、下地を隠す。透明な塗料には含まれない。残る
添加剤性能の補助役。防カビ剤、乾燥促進剤など。残る(一部揮発)
溶媒(水 or 溶剤)樹脂や顔料を溶かし、塗りやすくする液体。塗装後に蒸発して消える残らない
Teacher X
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これらの成分が塗料にどのような役割を持たせているのかを理解すると、塗料を選ぶときの参考になります。

1-3. DIYの最初の分岐点:水性塗料 vs 油性塗料

塗料選びで誰もが最初に悩むのがこれ。溶媒が「水」か「有機溶剤(シンナーなど)」かの違いです。

💧 水性塗料🔥 油性(溶剤系)塗料
扱いやすさ◎ 抜群△ 慣れが必要
臭いほぼ無臭強いシンナー臭(要・強力換気)
安全性◎ 安全(引火性なし)火気厳禁
後片付け◎ 水道水でOK✕ 専用うすめ液が必要
耐久性○ 非常に高い(近年、油性に匹敵)◎ 密着性が高く、耐久性が高い傾向がある。
おすすめの場所室内全般、小物、子供用家具屋外の鉄部、屋根、床など過酷な環境
Teacher X
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DIY初心者の方は、まず「水性塗料」を選べば間違いありません。
乾けば水に溶けることはなく、現在の水性塗料は屋外でも使えるほど高性能になっています。

オイルステイン塗装を木材に施した画像
ホームセンターで売っているカフェ板(杉板)にオイルステイン塗装を施した。
僕はこの時は、油性塗料を選択したので、においがきつく屋外での作業が必須となりました。

第2章:耐久性の決め手!塗料の心臓部「樹脂」を知る

塗料の価格と性能は、骨格となる「樹脂」の種類で決まります。ここを理解すれば、目的に合った正しい塗料が選べるようになります。

樹脂の種類特徴耐久年数目安
アクリル安価で扱いやすいが、耐久性は低い。紫外線に弱い。3~5年
ウレタン柔軟で密着性が良く、価格と性能のバランスが良い万能選手。木部、鉄部、家具などに良く使われる。6~8年
シリコン耐久性、耐候性、低汚染性に優れる現在の主流。外壁、屋根などの塗装に良く使われる。8~12年
フッ素最高級グレード。非常に高耐久だが高価。15~20年
エポキシ接着力と硬さが突出。 紫外線に弱い。コンクリート床、鉄部の強力なサビ止め下塗りに使用される。屋外上塗りには不向き

Teacher X
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ホームセンターの安価な塗料はアクリル系が多いですが、家具や棚など、長くキレイに使いたいものには、最低でも「ウレタン樹脂」以上の塗料を選びましょう。 仕上がりの美しさと耐久性が全く違います。

第3章:【木材塗装マスター】目的で選ぶ5つの仕上げ方法

木材塗装は、木の風合いをどう見せたいかで手法が大きく変わります。

3-1. 大原則:膜で「覆う」か、内部に「染み込ませる」か

  • 造膜(ぞうまく)型: 表面に硬い保護膜(コーティング)を作る。保護性能重視
    • 代表例:ニス、ペンキ(エナメル)
  • 含浸(がんしん)型: 内部に染み込んで着色・保護する。自然な風合い重視
    • 代表例:オイルフィニッシュ、ステイン
種類分類構成要素特徴
ニス (Varnish)造膜型樹脂 + 溶剤透明な保護膜を作る。保護性能重視
エナメル (Enamel)造膜型樹脂 + 顔料 + 溶剤不透明な色の膜を作る(塗りつぶし)。いわゆるペンキ
オイルフィニッシュ (Oil Finish)含浸型乾性油(樹脂) + 溶剤木に浸透して保護。自然な風合い重視
ステイン (Stain)含浸型染料/顔料 + 溶剤木材を着色する染料。単体での保護能力は無い
オイルステイン(Oil Stain)含浸型乾性油(樹脂) + 染料/顔料 + 溶剤着色とオイルによる最低限の保護を同時に行う。
※造膜型塗料としてラッカーがありますが、これは速乾性が最大の特徴で工場塗装や小物など、作業効率・速さを最優先する時に使用するものです。木部塗装としては使用することはほぼないと思いますので、上記の表には載せていません。

3-2.木部塗装の鉄板構成

目的最適な手法特徴
①【保護 最優先】
木の風合いを活かし、傷や水から強力に守りたい
ニス(ウレタンニス)透明で硬い膜を作る。テーブル天板の仕上げはこれが王道。
②【自然な風合い 最優先】
木の質感をそのまま感じたい
オイルフィニッシュ木に油が染み込み、しっとりとした濡れ色に。保護力は最低限。
③【着色+最強保護】
木目を活かして着色し、完璧に保護したい
ステイン + ニスプロが選ぶ最も信頼性の高い方法。 ステインで着色後、透明ニスで保護する。
【風合い+メンテナンス性】傷も味として楽しみ、手入れをしたい ワックス自然なツヤを出し、手触りが良い。定期的な手入れが必要だが、部分補修が簡単。
⑤【塗りつぶしたい】
木目を消して、好きな色にしたい
ペンキ(エナメル)下地を完全に隠す。アンティーク風ならチョークペイントも人気。
ニス・ステインの商品が並んでいる棚
Teacher X
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これを踏まえ、あなたの目的に合った最強の組み合わせを選びましょう。①もしくは➂が個人的なお勧めですが、いろいろ試してみてください。

praxis
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なるほど。商品に書いている言葉の意味が理解できるようになってきました。樹脂と顔料と溶媒に何が使用されているのかでその塗料の特性が決まっているのですね。

3-3.塗膜の劣化とメンテナンスの考え方

塗膜は、主に「紫外線」「熱(太陽光の赤外線)」「水」の3つの要因によって劣化し、劣化状態により以下のような症状がでます。

  • つや引け・退色・変色:塗料の成分である樹脂の劣化によって起こり、美観不良につながります。
  • 白亜化(チョーキング):樹脂の劣化により顔料が塗膜表面に現れ、触ると白い粉が手に付着します。
  • はがれ:塗膜の付着力が低下したことによって発生し、素地を保護する機能が失われ、素材自体の劣化につながります

そのため、塗装箇所には定期的なメンテナンスが必要となりますが、造膜型と含浸型で必要なメンテナンス期間が変わります。

  • ニスやウレタンニスなどの造膜型(コーティング)塗料は、表面が剥がれるまで保護機能が持続し、メンテナンス期間を長く取ることができます。
  • オイルやワックスなどの含浸型(浸透)定期的なメンテナンス(塗り直し)が必要となります
praxis
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屋外で使用される塗料に造膜型が多いのには理由があるんですね。僕は木部を潰したくないので、「キシラデコール」のような含浸型の木材保護塗料を使うことが多いです。

第4章:木材以外にも応用!素材が変われば「下塗り」が変わる

塗装の成功は「下塗り材(プライマー/シーラー)」で決まります。下塗り材は、素材と上塗り塗料をくっつける「接着剤」の役割を果たします。

素材弱点下塗りの役割
木材塗料を吸い込む、ヤニ・アクシーラーで吸い込みを止め、ムラなく仕上げる。
鉄部サビるサビ止めプライマーでサビの発生を根本から防ぐ。必須工程!
コンクリートアルカリ性、吸い込みが激しいシーラー/フィラーで下地を固め、アルカリを抑える。
プラスチック/金属塗料がのりにくい非鉄金属用プライマーなどで密着性を劇的に向上させる。
Teacher X
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塗りたい素材に「専用」と書かれた下塗り材を使うのが、失敗しない一番の近道です。

第5章:塗装成功の黄金ルール5ヶ条

知識を身につけたら、いよいよ実践です。以下の5つのルールを守れば、仕上がりは格段に向上します。

ルール1:汝、準備を怠るなかれ(下地処理)

塗装の品質は、8割が「下地処理」と「下塗り」で決まります

  • 研磨: 木材は#240〜#400のサンドペーパーで木目に沿って磨き、表面を滑らかにする。
  • 清掃: 汚れ、油分、サビ、古い塗膜は完全に取り除く。
  • 養生: マスキングテープで塗りたくない場所を保護する。この一手間で仕上がりが決まります。
  • プライマー/シーラー(下塗り):上塗り塗料の密着性を向上させるために使用します。特に古い塗膜の上に塗装する場合には、付着性をよくするために研磨し、シーラーやサビ止めを塗ることをおすすめします。
Teacher X
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木材は水や塗料を含むと毛羽立ちやすい性質があります。あらかじめサンドペーパーで木目に沿って丁寧に研磨し、削り粉を取り除いておくと、塗装後の毛羽立ちが抑えられ、なめらかな仕上がりになります。

praxis
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サンドペーパーを固定するためのサンドペーパーホルダーは既製品を購入してもよいですが、自分で作製することもできます。別の記事で紹介しているので良ければ参考にしてくださいね。
 【スポーク記事】木工DIY基礎編 治具製作 「センタードリルガイド」と「ペーパーホルダー」

ルール2:汝、撹拌を怠るなかれ(塗料の準備)

塗料は成分が分離しています。使う前には必ず棒などで容器の底からしっかり混ぜましょう(成分が分離していることがあるため)。

Teacher X
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また、塗料が密着しない可能性のある素材や特殊な処理をされた素材には、事前に目立たない部分で試し塗りを行い、付着性などを確認しておきましょう。

ルール3:汝、厚塗りするなかれ(塗装の基本)

一度に厚く塗ると、液だれ、乾燥不良、ムラの原因に。「薄く、均一に」が鉄則です。

Teacher X
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特に、ステインやオイルなどの浸透系塗料は、塗り広げた後、余分な塗料をウエスでしっかり拭き取ることが重要です。

道具の選び方:作業効率を上げるポイント

道具用途ポイント
ローラー広い面をムラなく素早く塗る。内装の天井や壁には毛足13mm程度の短いものを選ぶとムラが出にくい。
刷毛細かい部分や角を塗る。塗装するものに合わせてサイズを選びます。
コテバケ広い面を均一に仕上げる。液だれしにくく、オイルステインのようなシャバシャバな液体にも便利。
マスキングテープ/マスカー塗装しない部分の保護(養生)。養生をしっかり行うことで、思い切って作業でき、仕上がりも綺麗になります

ルール4:汝、重ね塗りを恐れるなかれ(仕上げ)

ほとんどの塗料は2回塗り以上で性能を最大限に発揮します。1回目が乾いたら、軽く研磨して2回目を塗ると、驚くほど美しい仕上がりになります。

ルール5:汝、乾燥を待つべし(忍耐)

説明書に書かれた乾燥時間は必ず守りましょう。特に重ね塗りの間隔や、オイルの上にニスを塗る場合は、焦りは禁物です。

praxis
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ついつい、急いでしまいますが、特に冬場の時期は乾燥時間がながくなるので、使用している塗料の規定通りに乾燥させよう。

Teacher X
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オイルステインの上にニスを塗る場合などに、十分な期間を開けないと付着力が悪くなり、剥がれの原因となります。

まとめ:最高のDIYは、最高の「塗料選び」から始まる

塗装は、素材を保護し、美しく見せるための「お化粧」のようなものです。

  • 下地処理は、洗顔とスキンケア。
  • 下塗り(プライマー)は、ファンデーションのノリを良くする化粧下地。
  • 上塗り塗料の「樹脂」は、ファンデーションの品質そのもの。
  • そして、ウレタンニスのような強力な仕上げは、肌を紫外線から守る最強の日焼け止めと言えるでしょう。

適切な知識を持って塗料を選び、正しい手順で丁寧に作業すれば、あなたのDIY作品は必ず、愛着の湧く美しい逸品に仕上がります。

【付録】塗料の全知識を一枚にまとめたマインドマップ

今回解説した内容の全体像を、一枚のマインドマップにまとめました。塗装で迷った時に、いつでも見返せる保存版としてご活用ください。

次のステップへ

実際に棚板を製作する工程や、棚板を壁に設置する工程について紹介しています。
その全記録をまとめたハブ記事はこちらです。

【保存版】DIY初心者でもできる壁面棚の作り方完全ガイド|カフェ板で2種類の棚を自作


また、工具や治具製作、ビス・接着剤などの材料の選び方から、壁下地の探し方、塗装に至るまで網羅的に解説しているのでぜひみてください。

【保存版】木工DIY治具製作|センタードリルガイドとサンドペーパーホルダーの作り方

【保存版】壁下地探しと固定方法|DIY初心者でも失敗しない手順を建築士が解説

【保存版】DIY塗装の教科書:失敗しない塗料選びからプロの技まで完全解説

【保存版】DIYビス施工の完全ガイド:ビスの選び方から打ち方まで失敗しない全知識

【保存版】これだけ覚える!DIY接着剤の教科書|失敗しない接着剤の選び方から裏ワザまで完全解説

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